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FeRAMを選ぶ理由

従来のメモリではスペック的に満足できず、性能の限界を感じている方には、FeRAMは最適な代替候補になる可能性があります。
耐久性など、メモリに求められる様々な性能要件を高いレベルで実現しています。 それに加えて、不揮発性も用意しています。 システムの高速化、省電力化、バッテリー駆動時間の延長、高頻度のデータ書き換えなど、従来のメモリで性能的な壁に阻まれている方は、ぜひFeRAMの採用をご検討ください。

1.高書換え耐性

FeRAMは、最大100兆回の書き込み変換を保証しています。これは、1秒間100回書き込んでも理論上3000年以上の耐久性であり、一部の超高頻度書き込み変換が要求されるアプリケーション以外では実用的に無制限の書き込みが可能と言えます。

書換え回数上限の比較

メモリ 最大書き換え回数 1秒に1回書換えた場合の寿命
FeRAM 100兆回 約317万年
EEPROM 400万回 約46日
Flash 10万回 約28時間
メモリ FeRAM
最大書き換え回数 100兆回
1秒に1回書換えた場合の寿命 約317万年
メモリ EEPROM
最大書き換え回数 100兆回
1秒に1回書換えた場合の寿命 約46日
メモリ Flash
最大書き換え回数 10万回
1秒に1回書換えた場合の寿命 約28時間

ウェアレベリングが不要

EEPROMやFLASHの書換え耐性上限を超える用途ではウェアレベリング(*)が一般的です。
※ウェアレベリングとは、複数のメモリに書換を分散する手法のこと

課題
  • ソフトウェアの複雑化
  • 結果、検証工数が増える
  • さらに市場バグ流出リスクが増える
ウェアレベリングの例
ウェアレベリングの例
矢印
FeRAMによる解決
  • ソフトウェアが簡素化されるため、ウェアレベリングをする場合のデメリットが発生しない
  • さらに、開発工数も削減
  • 市場バグ低減により顧客満足度向上の可能性も
ウェアレベリング無しで簡素化が可能
ウェアレベリング無しで簡素化が可能

高頻度のログ取得が可能

書換え耐性が高いことにより、高頻度で精度の高いデータを収集することが可能です。これまでは確認できなかった複雑なデータ曲線を知ることで、本当のデータの動きを確認することができます。

課題
  • 10年間にわたり書込みをした場合、EEPROMでは1時間あたり11回、1日あたり270回程度が限界
  • 必要なデータが取れていない可能性がある
  • それ以上の頻度ではウェアレベリングなどの対策が必要で、ソフトウェアの複雑化を招く
ログ取得点の間隔が荒く精度が低い
ログ取得点の間隔が荒く精度が低い
矢印
FeRAMによる解決
  • FeRAMでは、最大30万回/秒(1日あたり200億回以上)の書換えが可能
  • データの推移を細かく記録して、本当のデータを取得可能に
高頻度のログで高精度のデータを獲得
高頻度のログで高精度のデータを獲得

2.高速書き込み

FeRAMの書き込みに要する時間は1回の動作あたり約120nsです。これは、EEPROMの4万倍以上の速さになります。

停電や瞬断時のデータも確実に記録可能

EEPROMやFLASHの書換え耐性上限を超える用途ではウェアレベリングが一般的です。
※ウェアレベリングとは、複数のメモリに書換えを分散する手法のこと

課題
  • 書き込み時間がmsオーダーのため、書き込み動作や消去動作中に電源が落ちるとデータが消える可能性が高い
矢印
FeRAMによる解決
  • 書き込み時間が120nsのため、電源喪失の前にデータ書き込みが完了
  • 確実にログが取れる
停電時の例
停電時の例

周辺部品削減によるコスト削減(BOMコスト削減)

課題
  • EEPROMでは瞬停直前データを記録するには、スーパーキャパシタやバッテリーが必要
  • メモリ単体では安価でも、追加部品によりBOMコスト上昇
矢印
FeRAMによる解決
  • スーパーキャパシタやバッテリは不要
  • トータルのBOMコストの削減が可能
BOMコスト比較

3.低消費電力

FeRAMは以下の2点の理由により、他のメモリと比較して低消費電力を実現しています。

  1. 書き込み時間が短く、書込み時の消費電力が少ない
  2. 不揮発性メモリのため、データ保持用の電流が不要

書き込みエネルギーが小さく、消費電力を削減可能

課題
  • 書き込みの電力が大きく、バッテリーの寿命に影響
矢印
FeRAMによる解決
  • FeRAMの書込みエネルギーはEEPROMの100分の1、Flashの2万分の1
  • 書き込みの多い用途においてバッテリーの寿命を大きく延ばすことが可能
  • 環境負荷削減に貢献
256Byteのデータを書いた場合
*SPI ,3V operation, maximum frequency of each memory(EEPROM 5MHz, Flash 104MHz, FRAM 40MHz)
256Byteのデータを書いた場合
*SPI ,3V operation, maximum frequency of each memory(EEPROM 5MHz, Flash 104MHz, FRAM 40MHz)

4.シンプルな書込み動作

FeRAMは以下の2点の理由により、シンプルな書き込み動作を実現しています。

  1. メモリの上書きが可能で、事前の消去動作は不要
  2. ページ・セクターの概念が存在せず、全領域を連続して書き込むことも可能

消去動作不要、ページやセクターも気にせず書き込める

課題
  • EEPROMでは、ページサイズ上限により分割して書込みが必要
  • FLASHではセクター単位での消去動作が必要
  • 結果、ソフトウェアが複雑化
矢印
FeRAMによる解決
  • FeRAMなら、消去動作不要で、書込み動作のみで
  • 結果、ソフトウェアがシンプル
  • 開発工数、バグ検証などの工数を削減
256Byteのデータを書いた場合 256Byteのデータを書いた場合

5.既存メモリからの置き換えも容易

EEPROMやSRAMのドロップイン・リプレースが可能

課題
  • メモリのリプレースには開発工数がかかりそう…
  • 既存のコントローラやボードを流用したい
  • ソフトウェアの変更も最小限に抑えたい
矢印
FeRAMによる解決
  • シリアル(SPI・I2C)およびパラレルインターフェースの製品を取り揃えている
  • 容量・電圧・パッケージのラインナップも豊富
  • 既存メモリのリプレースが容易
インターフェース I2C SPI パラレル
メモリ容量 4K〜1Mビット 16K〜8Mビット 256K〜8Mビット
電源電圧
  • 1.7〜1.95V
  • 1.8〜3.6V
  • 2.7〜5.5V
  • 1.7〜1.95V
  • 1.8〜3.6V
  • 2.7〜5.5V
1.8〜3.6V
動作温度範囲
  • -40℃〜125℃
  • -40℃〜105℃
  • -40℃〜95℃
  • -40℃〜85℃
  • -40℃〜125℃
  • -40℃〜105℃
  • -40℃〜95℃
  • -40℃〜85℃
  • -40℃〜105℃
  • -40℃〜85℃
パッケージ SOP,SON,DFN SOP,SON,DFN,WL-CSP TSOP,FBGA
インターフェース I2C
メモリ容量 4K〜1Mビット
電源電圧
  • 1.7〜1.95V
  • 1.8〜3.6V
  • 2.7〜5.5V
動作温度範囲
  • -40℃〜125℃
  • -40℃〜105℃
  • -40℃〜95℃
  • -40℃〜85℃
パッケージ SOP,SON,DFN
インターフェース SPI
メモリ容量 16K〜8Mビット
電源電圧
  • 1.7〜1.95V
  • 1.8〜3.6V
  • 2.7〜5.5V
動作温度範囲
  • -40℃〜125℃
  • -40℃〜105℃
  • -40℃〜95℃
  • -40℃〜85℃
パッケージ SOP,SON,DFN,WL-CSP
インターフェース パラレル
メモリ容量 256K〜8Mビット
電源電圧
  • 1.7〜1.95V
  • 1.8〜3.6V
  • 2.7〜5.5V
動作温度範囲
  • -40℃〜125℃
  • -40℃〜105℃
  • -40℃〜95℃
  • -40℃〜85℃
パッケージ TSOP,FBGA