FeRAM搭載RFIDを選ぶ理由
当社はRFID用LSIとして、これまで13.56MHzのHF帯を開発製造しております。その最大の特長は、強誘電体メモリFeRAMを搭載しているということであり、高速書込み、高書換え耐性という特性を活かし、大容量のデータキャリア型パッシプRFID用LSIとして国内外のFAや医療などの分野に幅広く展開しています。また、860MHz ~ 960 MHz対応UHF帯の製品も開発製造し、様々な製品ラインアップがあります。
より詳しくは以下の記事をご覧ください。
FeRAM搭載RFIDを選ぶ 6つの理由
1.処理速度向上
FeRAMは、高速なデータ書き込み速度と高いデータ保持能力を持つため、データ処理速度を向上させることが出来ます。工場の自動化が進む中で、正確で効率的な運用が生産性向上の重要な要素となります。
FA生産製造工程において高スループットを実現するため、製造工程で記録するデータはRFIDタグメモリへの高速書込みが求められます。EEPROM搭載RFIDタグはメモリ書込み速度が遅いため、高スループット生産工程への応用は不可となります。
FeRAMは、他の不揮発性メモリ(EEPROMなど)と比較して非常に高速な書込み速度を持っています。これにより、書込み時間が短縮されますので、高スループット生産製造ラインへの応用が可能となります。
2.大容量メモリ搭載
FeRAM搭載RFIDタグ用LSIは書き込み処理の高速化により、大容量の8Kバイトメモリ搭載を実現しました。ファクトリーオートメーション向けデータキャリア型パッシプRFID用LSIを用いて大容量且つ高速書込みで最適なソリューションを実現できます。
FA生産製造工程における製品情報、設定パラメータ、加工工程履歴や検査情報などの大容量データをリアルタイムで更新・保存することが求められますが、EEPROM搭載RFIDタグはメモリ書込み速度が遅いため、大容量データリアルタイムで更新・保存の応用が不可となります。
FeRAMは、他の不揮発性メモリ(EEPROMなど)と比較して非常に高速な書込み速度を持っています。これにより、大容量メモリ搭載RFIDタグを実現し、リアルタイムで正確なデータを記録することが可能となります。
3.安定した通信距離
FeRAMメモリの低消費電力によって、書込み(Write)の通信距離は読み取り(Read)と同じになります。一方、EEPROMをメモリとして使用するRFIDの場合、書き込みの通信距離は読み取りの約半分程度です。FeRAMは、書込みの低消費電力且つ高いデータ保持能力を持つため、無線などの不安定の事態においても重要なデータを確実に保存することができます。
4.高頻度の書き換えが可能
FeRAMは、書き換え可能回数が非常に多いため、頻繁にデータ更新が行われるファクトリーオートメーション(FA)環境においても優れた耐久性を発揮します。長期間にわたって安定した動作を保証し、メンテナンスの手間やコストを削減することができます。この特性により、FA現場では製造プロセスの効率化と信頼性の向上が期待されています。
FA生産製造工程では、RFIDタグを繰り返し利用する際に高い書き換え耐性が求められます。従来のEEPROMは100万回の書き換え回数に制限があり、高速かつ頻繁に書き換えが必要とされるFA分野には適していないとされています。
高い書き換え耐性を持つFeRAMは、タグの長期使用を保証します。FeRAM(強誘電体ランダムアクセスメモリ)は、その優れた書き換え耐性により、タグの保証期間中においても安定した性能を維持します。これにより、企業は長期にわたって信頼性の高いデータ保存を実現し、メンテナンスや交換の頻度を減少させることが可能となります。
*条件:1分毎に同じアドレスにRFIDデータを書き込み
5.バッテリレス化可能
FeRAMは、優れた書込み低消費電力特性を持つので、アプリケーションのバッテリレス化に適しています。従来のRFIDLSIに外部デバイスの駆動に必要な回路を搭載することで、様々な無電源・無線アプリケーションを実現します。バッテリ交換などメンテナンスの手間やコストを削減することができます。この特性により、効率的かつ経済的な生産管理が実現し、製品競争力を大幅に向上させます。
6.優れた放射線耐性
FeRAMは、ガンマ線や電子線滅菌下でもデータを保持できる優れた放射線耐性を持つため、FeRAM搭載RFIDは医療・医薬分野における管理業務を大幅に効率化し、トレーサビリティの向上を実現します。この特性により、製品の製造から廃棄までの全プロセスにおいて、RFIDタグによる完全なトレーサビリティ管理が可能です。これにより、製品の履歴を正確に追跡でき、品質管理と安全性が向上します。