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ReRAMを選ぶ理由

ReRAMのご紹介

当社は不揮発性メモリとして、FeRAMとReRAMを提供しています。この両者は異なる特長を持っているため、得意とする用途が異なります。ReRAMの一番の強みは読出し時の動作電流が非常に小さいことです。データの読出し回数が無制限なので、プログラムを頻繁に読み出す用途に向いています。
また、読出し時の電流が非常に小さいので、バッテリーで動作する小型機器では電池の寿命を延ばすことが期待できます。例えば、補聴器やスマートウォッチなど小型のウェアラブルデバイスに最適です。一方で、FeRAMの強みは、データの書換え保証回数が多いことです。最大100兆回のデータ書換えが可能なため、リアルタイムでデータを書き続ける用途に向いています。例えば、メーター、産業用ロボット、自動車での情報を記録するメモリとして採用されています。

ReRAMとFeRAMの特長

ReRAM FeRAM
不揮発性
  • 電源オフでもデータを保持
不揮発性
  • 電源オフでもデータを保持
低読出し電流
  • 平均0.15mA(@5MHz)
  • 最大0.7mA(@10MHz)
高書換え耐性
  • 最大100兆回の書換え保証
大容量
  • 最大12Mビット
高速書換え
  • データの重ね書きが可能(消去動作が不要)
超小型パッケージ
  • 2mm×3mm(12Mビット品)
低消費電力
  • 短書込み時間による省電力
  • 書込みに内部昇圧が不要
FeRAM
不揮発性
  • 電源オフでもデータを保持
高書換え耐性
  • 最大100兆回の書換え保証
高速書換え
  • データの重ね書きが可能(消去動作が不要)
低消費電力
  • 短書込み時間による省電力
  • 書込みに内部昇圧が不要

不揮発性メモリの位置付け

不揮発性メモリの位置付け 不揮発性メモリの位置付け

1.ReRAMの特長

ReRAMは「不揮発性」「低読出し電流」「大容量」「超小型パッケージ」の4つの特長をもっています。

不揮発性
  • 電源が切れてもデータが消えない
  • バッテリーフリー(グリーン化製品)
低読出し電流
  • 平均0.15mAと僅少(5MHz動作時)
  • 最大でも0.7mA(10MHz動作時)
大容量
  • 12Mビットのメモリ容量
超小型パッケージ
  • 2mm×3mm(11ピンWL-CSP)

下記の表では、従来のメモリ製品との特長比較を示しています。ここでリストアップしているEEPROM、フラッシュメモリ、SRAMの3つの汎用メモリは、ReRAMでの置き換えが容易なメモリになります。ReRAMは、他のメモリと比べると読出し電流、書込み電流ともに少ないことが分かります。動作時の電源電圧も最低1.6Vから動作するため、動作時の消費電力を低く抑えることができます。また、電源がオフのときにデータ保持用バッテリーが必要なSRAMと比べると、不揮発性メモリのReRAMはバッテリーが要らないため、使い勝手が良いメモリです。これらの理由により、ReRAMは動作時の電力が少ないメモリと言えるので、低消費電力の点で優位性があるメモリと言えます。

汎用メモリとの特長比較

項 目 ReRAM EEPROM フラッシュメモリ SRAM
メモリタイプ 不揮発性 不揮発性 不揮発性 揮発性
データ保持用バッテリー 不要 不要 不要 不要
読出し電流 0.15mA
(@5MHz)
3mA
(@5MHz)
4mA
(@33MHz)
20mA
(@55ns)
書込み電流 1.5mA 3mA 15mA 20mA
(@55ns)
読出し回数 無制限 無制限 無制限 無制限
書換え回数 100万回 100万回 10万回 無制限
電源電圧(下限) 1.6V〜 1.8V〜 2.7V〜 2.7V〜

大容量+小型パッケージ

当社のReRAM製品のパッケージは、2mm x 3mmサイズ(6平方ミリメートル)のWL-CSP(Wafer Level Chip Size Package)です。SPIインターフェ ースの不揮発性メモリの多くで見られる8ピンSOPではパッケー ジから脚(リード)がでていますが、WL-CSPでは裏面にコンタクトのためのボールを 配置しているため、実装面積が少なくて済みます。例えば、8ピンSOPの4Mビットメモリと比べると12MビットのReRAMは、メモリ容量が3倍になっ たうえに実装面積も80%以上削減できます。

SOPとWL-CSPの実装面積の比較

SOPとWL-CSPの実装面積の比較

ReRAMのピン配置と寸法
(8M/12Mビット品は同一)

ReRAMのピン配置と寸法

低読出し電流

ReRAMの読出し電流は、5MHz動作時で平均0.15mAです。これは、 EEPROMが同じ5MHz動作時では平均3.0mAであるのと比べると、約95%も 低い値になります。この特長は、バッテリーで動作するウェアラブルデバ イスに最適です。具体的には、補聴器などでは最初に初期設定(パラメー タ)のデータを記録したあと、使用時にはそのデータを頻繁に利用(デー タ読出し)しますが、そのような用途では読出し電流が少ない方がバッテ リーの消耗を減らすことができます。バッテリーで動作する電気製品の中 でも、「メモリに小さなパッケージサイズが求められる用途」で、かつ 「データの読出しが頻繁に行われる用途」であるウェアラブルデバイスは 当社のReRAMが適した用途と言えます。

読出し電流の比較

読出し電流の比較

2.お客様の課題とReRAMによる解決策

次のような課題をお持ちの場合、当社のReRAMへの置き換えにより解決できることがあります。

課題

現在EEPROMを使っているが、大容量品のラインナップがない。フラッシュメモリへの置き換えはソフトウェアの更新が必要となるため難しい。

矢印
ReRAMによる解決

最大で12Mビットの容量をもつReRAMがあります。消去動作やセクタ単位の書込みは不要のため、EEPROMからの置き換えも容易です。

課題

メモリ容量を増やしたいが、実装面積が限られているのでパッケージサイズを大きくできない。

矢印
ReRAMによる解決

2mm x 3mmの小型パッケージで8Mビット12Mビット品を提供できます。8MビットReRAMをご使用の場合でも、同じピン配置、同じパッケージの12Mビット品に置き換え可能です。

課題

消費電力を減らしたいが、従来の不揮発性メモリでは大きく電力を減らすのが難しい。

矢印
ReRAMによる解決

読出し電流がEEPROMなどの不揮発メモリの10%以下であり、しかも電源電圧が1.6Vのため消費電力を低減できます。

課題

小型電池を使用しているため、平均消費電流だけでなくピーク電流も気になる。

矢印
ReRAMによる解決

ReRAMはピーク電流も小さく、小型電池での使用に適しております。