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FA向けロボットのHMIにおけるFeRAMの採用事例
FA現場のダウンタイムを激減:
FeRAMの高速書込が作業中の瞬停からの高速復帰を実現
工場内のファクトリーオートメーション向けロボットのHMI(Human Machine Interface)でもFeRAMが採用されています。高速データ書き込みによってロボットアームのパラメータや設定情報を常時記録し、電断等によるアクシデントによる生産ライン停止時においてもリカバリ時間の短縮に貢献します。
目次
FeRAMの特徴とメリット
工場の自動化が進む中で、ロボットの正確かつ効率的な動作は生産性向上の鍵となります。特に、ロボットのアームの角度や強度などの各種設定パラメータを正確に管理・保存することが求められます。ここで注目されるのがFeRAM(強誘電体ランダムアクセスメモリ)です。FeRAMは、高速なデータ書き込み速度と高いデータ保持能力を持つため、電断などの不測の事態においても重要なデータを確実に保存することができます。
FA向けロボットHMIにおけるFeRAMの採用理由
高速データ書き込み
FeRAMは、他の不揮発性メモリ(NVM)と比較して非常に高速な書き込み速度を持っています。これにより、ロボットのアームの角度や強度といった設定パラメータをリアルタイムで更新・保存することが可能です。これにより、ロボットの動作が迅速かつ正確に制御されます。
高信頼性のデータ保持
工場内での電源障害や予期せぬシステムダウンが発生した場合でも、FeRAMは高い信頼性でデータを保持します。これには、設定パラメータだけでなく、ロボットの現在の位置、速度、センサーデータなどの動的な状態情報も含まれます。これにより、再起動後も直ちに以前の状態を復元することができ、ダウンタイムを最小限に抑え、生産性の維持に貢献します。
耐久性と長寿命
FeRAMは、書き換え可能回数が非常に多いため、頻繁にデータ更新が行われるファクトリーオートメーションの環境においても耐久性に優れています。長期間にわたって安定した動作を保証し、メンテナンスの手間やコストを削減します。
具体的な採用事例
ある先進的な製造工場では、ロボットのHMIにFeRAMを採用しています。この工場では、ロボットアームの微細な動作制御が求められており、FeRAMにより設定パラメータの迅速な書き込みと確実なデータ保持が実現されています。
このお客様は元々EEPROMを使用していましたが、EEPROMでは電源障害やシステムダウンの際にデータロストが発生しやすく、ロボットのアームの角度、速度、センサーデータなどの重要な状態情報が失われることが度々発生していました。これは生産ライン復旧時に各アームごとの設定パラメータを再確認する必要が生じ、生産効率低下を招く要因でした。
この問題を解決するために、お客様はFeRAMの導入を検討し始めました。
FeRAMの導入後は、高速なデータ書き込みが可能となり、リアルタイムで設定パラメータや状態情報を保存することができるようになりました。これにより、電源障害時にもデータロストの心配がなくなり、生産ライン復旧時には以前の設定パラメータと状態情報が即座に復元されるため、復旧作業にかかる時間と手間が大幅に削減されました。
装置に必要なパラメータ情報についてはデータロストの心配をしなくて済むようになったため、心理的な負担が大幅に軽減されました。これにより、作業者は安心して生産業務に集中できるようになり、全体的な生産効率が向上しています。
結論
FeRAMの採用により、ファクトリーオートメーション向けロボットのHMIは、より高速で信頼性の高いデータ管理が可能となります。電源障害時の迅速なデータ復元や、長寿命で高耐久性なメモリ技術が生産効率の向上に大きく寄与します。これからもFeRAMは、工場自動化の分野において重要な役割を果たし続けるでしょう。
代表的な採用品種
- MB85RS256B : 256Kbit SPI I/F 2.7~3.6V 33MHz -40~85℃ SOP8
- MB85RS512T : 512Kbit SPI I/F 1.8~3.6V 30MHz -40~85℃ SOP8
- MB85RS1MT : 1Mbit SPI I/F 1.8~3.6V 40MHz -40~85℃ SOP8
- MB85RS2MTY : 2Mbit SPI I/F 1.8~3.6V 50MHz -40~125℃ SOP8/DFN8
- MB85RS4MTY : 4Mbit SPI I/F 1.8~3.6V 50MHz -40~125℃ SOP8/DFN8
各品種のデータシートはこちらをご参照ください。
FeRAM製品一覧 | RAMXEED(ラムシード)