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製造工場での電子ペーパータグ活用事例
工場のペーパーレス化・DX化推進:
既存の製造レイアウトの変更無くペーパーレス化を実現
電子ペーパータグはバッテリーレスで動作する表示機能付きRFIDタグで、製造工場内で利用される紙ラベルのペーパーレス化を実現できます。電子ペーパータグは工場内の現品票や工程管理表、通い箱、製造ラインのアンドンなどで利用されています。
目次
電子ペーパータグについて
電子ペーパータグは、UHF帯RFIDの技術を利用しており、バッテリーレスで動作する表示機能付きRFIDタグです。電子ペーパータグは繰り返し表示内容を更新できるため、ラベル交換が不要で、リーダライタ(R/W)から無線給電を行う事でバッテリーレスを実現しているため、電池交換が不要です。製造工場では情報の可視化の必要な場合が多く、紙ラベルがよく使用されます。電子ペーパータグでは紙ラベルと同様の見やすさで情報を表示できるだけでなく、RFIDとしての機能も利用できペーパーレス化を実現できます。既存のシステムで使用されているバーコードやQRコードも電子ペーパーに表示できるため導入もスムーズに行う事が出来ます。
製造工場での電子ペーパータグの活用用途
1. 現品票での電子ペーパータグの活用
製品の識別情報、製造日時、工程、検査結果などが記載された現品票は、紙ラベルが使用されています。しかし、紙ラベルは生産ラインで汚れや破損をしやすく、その結果、可読性が悪化することがあります。また、紙ラベルの印刷や廃棄には多くの工数がかかり、環境にも負荷をかけます。そこで、電子ペーパータグラベルに置き換えることで、紙ラベルの印刷や交換にかかる工数を削減し、ペーパーレス化を実現すると同時に、環境負荷を低減することができます。
課題 | 解決 |
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・紙ラベルの印刷、廃棄による作業工数増加 ・紙ラベルの廃棄による環境負荷増加 ・生産ライン内での汚れ、破損による可読性の低下 | ・ペーパーレス化 (カーボンニュートラル・サステナビリティ) ・R/Wでの券面書き替えのみで張り替え不要 ・生産情報と連携し自動で券面の書き替え ・再利用可能なので、環境負荷低減 ・汚れた場合ふき取ることが出来、可読性を維持 |
現品票の電子ペーパータグ画像
2. 工程管理表での電子ペーパータグの活用
製造現場では工程管理表を紙ラベルで運用されています。各作業工程が完了したことを手書きで記入しますが、この作業により工数の増加や、記入ミスなどが発生する事があります。電子ペーパータグを導入することで、作業工程の自動チェックが可能となり、工数の削減や記入ミスの排除が実現できます。RFIDタグとして利用する事が出来るので、工程内の詳細情報をタグ内のメモリに格納することが出来、オフラインでもR/Wを使用して工程内の詳細情報の確認を行う事が出来ます。
課題 | 解決 |
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・手書きによる作業工数増加 ・記入漏れ、記入ミスの発生 ・紙の廃棄によるコスト増、環境負荷増加 | ・ペーパーレス化(カーボンニュートラル・サステナビリティ) ・作業チェックの自動化による工数削減 ・システムと連携する事で、記入ミスの排除、生産管理状況の即時把握 ・再利用可能なので、環境負荷低減 ・工程内の詳細情報をタグ内のメモリに保管し、 オフラインでも工程履歴情報を取得可能 |
工程管理表の電子ペーパータグ画像
3. 通い箱での電子ペーパータグの活用
拠点間で材料や部品、製品を輸送するためには、通い箱が繰り返し利用されています。これらの箱には、仕向け先や材料・部品の情報を明示するために一般的に紙のラベルが使用されますが、電子ペーパータグを導入することでペーパーレス化が実現でき、紙のラベルの印刷、貼り付け、剥離にかかっていた作業時間の削減ができます。
課題 | 解決 |
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・ラベル張り替え作業の工数発生(印刷、貼り付け、剥離) ・紙の廃棄によるコスト増、環境負荷増加 ・ラベル張り替えによる汚れが発生、洗浄が必要 | ・ペーパーレス化(カーボンニュートラル・サステナビリティ) ・R/Wでの券面書き替えのみで張り替え不要 ・再利用可能なので、環境負荷低減 ・張り替えを行わないので汚れが発生しない ・システム連携で仕向け先間違いの抑止 |
通い箱の電子ペーパータグ画像
4. 自動アンドン
製造ラインで異常が発生した場合、関係者に即座に通知がされるようにアンドン(表示器)が使用されています。ベルトコンベアラインでは、各工程での作業時間が予め決められており、作業が遅れるとラインが停滞する可能性があるため、作業進捗が遅れた場合、作業者がスイッチを押してアンドンに異常を表示するようにしています。作業者個々の判断の違いにより異常通知のタイミングが異なるため、ライン作業への遅延が発生する事があります。電子ペーパータグを導入することで、進捗状況の遅延を自動的に検知し、生産性の向上につなげることができます。
課題 | 解決 |
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作業が遅延している場合、作業者はスイッチを押すことでその旨を周知する。ただし、作業者個々の判断の違いにより、通知するタイミングが異なるため、ライン作業の遅延が発生することがあります。 | ベルトコンベアラインにR/Wを設置し、製品と一緒に移動している電子ペーパータグが、読み取り範囲に到達した段階で既定の作業内容まで完了していない場合自動でアンドンを点灯し、システムに作業遅延を通知する。 自動で遅延をとらえることにより、作業者によらず、異常がより顕在化され生産性向上につながります。 |