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FeRAMのPLCへの採用事例
予期せぬ電源消失も怖くない:
瞬停直前のデータを保存して確実な復帰を可能にするFeRAM搭載PLC
PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)の役割
自動車や電気機器の製造ライン、半導体製造や金属加工機械の工場設備、エレベータ制御において、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)は自動化の実現と装置稼働の高度なコントロールを可能にしています。
PLCはシーケンス制御を行う機器で、I/Oモジュールと統合することにより入力デバイスからの信号を処理し、出力を制御します。製造ライン等で使用されるため高い信頼性とメンテナンス容易性と長いシステム寿命が要求されます。更に予期せぬ電源消失が発生しても確実な制御を実現し安全に設備をリスタートする必要があるため、FeRAM (強誘電体メモリ)の優れた特性が大きく役立ちます。
FeRAMの特長と利点
FeRAMは、高速書き込みと高書き換え耐性を持つメモリ技術です。そのため、PLCにおいては以下のような利点があります:
高速データ記録:
PLCは予期せぬシステム電圧の低下といった不測の事態に対処する必要があります。システム電圧が完全に失われる前に制御パラメータ、I/Oの状態、 Run/Stopモードを高速にFeRAMに退避することにより、システムを正しく再起動し、また問題の原因の追跡が可能になります。システムが早期に再起動されることによりダウンタイムを最小限に抑え製造装置の稼働率を高めることに貢献し、また問題の原因の特定を可能にすることによりPLCやPLCと接続された機器のメンテナンスの容易性に役立ちます。
高書換耐性:
PLCは制御パラメータ、I/Oの状態、 Run/Stopモード等を常時ロギングすることにより、予期せぬシステム電圧低下の前にどのようなイベントが起きていたか把握する必要があります。FeRAMの高書き換え耐性を活かした常時ロギングにより、長いシステム寿命の全期間に渡る確実な稼働が可能になります。
データ保持性:
FeRAMは電源消失時でもデータが消えないため、電源復帰後にすぐに安全な稼働を再開することができます。PLCは高温環境で使用されるケースがあり、その場合は125℃での動作保証のFeRAMが役立ちます。125℃での動作保証のFeRAMは105℃で10年以上のデータ保持特性があり、過酷な環境でも確実にデータを保持することが可能です。
具体的な採用事例
PLC、モーションコントローラ、サーボモーター、HMI等のファクトリーオートメーション用機器を幅広く手掛ける世界的なリーディングカンパニーである顧客はPLCを始めとする幅広い製品でFeRAMを採用しています。
顧客のPLCは過酷な環境で使用されることが想定され、特に電源が不安定な環境でも確実に動作することが最終ユーザから求めらております。電源電圧が低下した際に動作モードや動作ステータス等の128KByte程度のデータを数10msecの短い期間内に保存し、電源電圧が復帰した際に問題なくPLCをリスタートすることが必要であり、データ格納用に様々な不揮発性メモリの検討を行いました。
EEPROMやFLASHメモリ等の従来型の不揮発性メモリでは書き込みの速度が遅く、最終ユーザからの要求を満足する仕様の実現が厳しいことが明白でした。
高速な不揮発性メモリに採用を絞り、また市場での高い実績のあるメモリとしてFeRAMが候補として挙がり、採用を決定しました。
顧客はFeRAMを採用した製品により、最終ユーザ数を更に増加させ、市場での評判と実績を確実なものとしております。
まとめ
PLCにおいて、FeRAMはその高速書き込み、高書き換え耐性、優れたデータ保持性により、高い信頼性とメンテナンス容易性、及び長いシステム寿命の実現を可能にします。
推奨製品
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